バンダイのガンプラ MG ガンダム Ez-8を作っていきます( ‘ω’ )و
今回の内容は
- 上腕のスジ彫り
- シンプルな「クランク」スジ彫りのやり方を紹介
です。
紹介するスジ彫りのやり方はガンプラ上級者の方から見たら「こんなの知ってるよ」な内容だと思いますが、これまであまりスジ彫りをしたことが無い方の何かの役に立てば幸いです(^_^;)
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スジ彫り完成図と必要な道具
MG ガンダム Ez-8は設定どおりに塗装すれば腕は白(クリーム色?)単色で塗れば基本的にOK。ですが、今回は仕上がり時に全体を何色か段階を変えたグレー系で塗りたいと考えてます。
そのために腕や足にそこそこ多めにスジ彫りを施して「ここはいかにもパネルがありますよ感」を出すことにしました。
実際に制作過程でスジ彫りを行った中で、
今回は「クランク」スジ彫りの簡単なやり方を紹介しますm(_ _)m
これはEz-8の二の腕(上腕)の部分を横側から見た画像です。
見やすいようにスジ彫りにタミヤのスミ入れ塗料(ダークグレイ)でスミ入れをしてあります。
このような途中でカクカクっとなったスジ彫り―ガンプラ製作サイトなどではクランクと呼ぶらしいですーをどうやってやるかを紹介します。
⬆のクランクはパーツの上辺から距離5mmの位置まで線を下ろし、そこから斜め下方向にラインを入れ、その後斜めライン終点から下までまっすぐ線を下ろしています。
(彫る順番は異なります。後ほど詳細を説明。)
斜め線部分の左及び下側方向への移動距離はそれぞれ3mmずつです(斜めの線自体の長さではありません)。
以下、こういったスジ彫りを作る方法を具体的に紹介します。
まず5mm分の距離をどうやってパーツの上辺から取るかを考えます。
これは例えば岬光彰さんのTスライド定規を使ったり、WAVEのT定規を使ったり、ディバイダー(スプリングコンパス)を使ったりして線をケガいて印をつけるというやり方もあると思いますが、
今回はニチバン クリアラインテープ(曲線用) 幅5mmを貼って幅を取る方式採用しました。
逆説的に言えば、
手持ちのガイドテープをあれこれ眺めパーツと比較検討し、その中で5mmが適切だと思ったのでそれに合わせてスジ彫りの距離を決めました。
まず最初にスジ彫りの長さを5mmにすると設定したわけではなく、ガイドテープの幅ありきで決めています(ここ重要です)。
合わせてニチバン クリアラインテープの3mmのテープも用意します。
更にハイキューパーツの3mmのスジボリガイドテープを用意します。
なんでこれもニチバンのクリアラインテープにしないのか?幅は同じ3mmなのに
と、言われると
ニチバン クリアラインテープは曲面追従性は素晴らしいけど、スジ彫りのガイドとしてはやや柔らかく心もとないから
です。
慣れればニチバン クリアラインテープをガイドにしてスジ彫りできますし、どうしてもラインテープのみでスジぼらないといけない場面も出てくるのですが、
可能なら固い素材のハイキューパーツのガイドテープを使う方がより失敗せずにシャープなスジ彫りができると思います。
ガイドテープを組み合わせてスジ彫りラインを決める
まず用意したハイキューパーツのガイドテープ(3mm・透明)をパーツに貼ります。
ハイキューパーツのガイドテープは透明なので写真だと分かりにくいかもしれません。
ご了承を😥
まず右上端、赤丸点の箇所からスタートです。
ここが最も重要。元々のEz-8の二の腕パーツにある角の部分と合わせてあります。
更にパーツの外周ライン(画像向かって右端のライン)に沿う形で慎重にテープを貼ります。
先程の赤丸点との交点はずらさずキープしつつです。
次に最初に貼った透明テープにピタリと辺を合わせて2枚目の透明テープを真横に平行に貼ります。
テープの辺同士を合わせれば、それすなわち平行なのでとにかくピタリと合わせて貼りましょう。
※⬆の画像では左下に「スジ彫り」と書いてますがこの段階ではまだスジ彫りしません。
2枚の透明テープを貼った状態のまま次に進みます。
ニチバン クリアラインテープ5mmをパーツの上辺に合わせて慎重に貼ります。
ここが合わないと全体がズレるのでとにかく集中…。
次に、貼った5mmテープに平行に3mmのニチバン ラインテープを貼ります。
ここはハイキューパーツのスジ彫りテープじゃイカンのか?と思われるかもしれませんが、
今度は逆にハイキューパーツのテープは固すぎてこのような重ねて貼る時にパーツ面までピタリと密着させにくい😥
なので曲面追従性のあるニチバン クリアラインテープを使っています。
さてここまでガイドテープを貼ればクランクの最終辺である
斜め線が終わってから下に下ろす線の始点が取れますよね😊
3mmの黄色いテープの下端と透明テープの2枚目の左端との交点がその始点になります。
ケガキ針などで交点に点を打って印をつけましょう。
(私はウェーブ HG カービングニードルを使ってます。安くて頑丈で長年使ってるけど全然壊れません。)
クランクのスジ彫りは最後の線から彫る
先程打った交点を始点にしてクランク最終ラインである下に下ろす線をスジ彫りします。
最初にガイド貼りをスタートして結局最後の線からスジ彫りを作っていくことになります。
まずケガキ針でガイドテープに沿って軽くなぞってガンプラパーツに今からスジボリする線のアタリをつけます。
ケガく必要があるのか?最初からタガネでいいのでは?という意見もあると思いますが、一応私の考えとしては
めんどくさくても毎回最初はケガキ針でアタリをつけたほうがその後のスジ彫りがきれいになる
と思います。(腕がいい人はいきなりタガネでも良いのかもしれないけど。)
特に私は表面処理のヤスリがけを一切せずにパーツを切り出した状態からスジボリする(その理由は下で)のでパーツの表面がつるつるしていきなりタガネだと滑ることがあります。
なので毎回けがき針を使うようにしてます。
ケガキ針でアタリが付いたら、いよいよタガネを使って慎重にゆっくりとスジ彫りします。
- スジ彫りのラインはどのくらいの太さがいいのか?
- スジ彫りは何回往復して掘れば良いのか?
については人それぞれの好みとしか言いようが無いのですが、
スジ彫りを始めた頃はそういうのもわからないですよね。
私も最初の頃はそうだった&誰にも聞けなかったので悩む気持ちはよーく分かります😥
太さについて一つ言えるのは、スジ彫り線の基本は0.15mmのタガネで、そこからアレンジでいいかと。
ガンプラのMG(マスターグレード)であれば0.2mmを基本にして、ややラインをはっきりさせる感じでもいいと思います。
でそこから太いスジ彫りもポイントポイントで盛り込んでいくと良さそうです。
HGであれば0.15mmがベースでパネルラインは0.3mmまでかなあと思います。
アクセントになる箇所にピンポイントで1mmとかも場合によっては使いますが、
多くのパネルラインを1mmでガシガシ彫っていくのは太すぎるような気がします。
※それがダメとかじゃないです。ガンプラは自由だ( ‘ω’ )و
タガネも高いので最初に買うのはまず0.15mmだけでも良いと思います。
また0.2は0.15とさほど変わらないので無くても全然問題ないかと。
0.3はあると良いかもしれませんが最初のうちは無くても特に困りません。
とりあえず0.15だけ持っとけば最初はなんとかなります。
彫る回数については正直何も考えてません。気が向くまま気の済むままです。
パーツを貫通させなければ(そんなに彫る人もおらんと思うけど💦)いいんじゃないでしょうか(・∀・)
大事なのは必ず方向を変え往復して彫ることです。
線を一方からだけのスジ彫りすると人間の腕の構造と利き腕の関係上、開始と引ききりで力の入り具合が異なります。
特に引ききりは気をつけないと、腕の力を逃がす時にブレが生じてスジ彫りのラインが歪みやすいです( -_-)
なるべく力を入れずにスジ彫りし、引き切りもスッと引くかあるいは止めるぐらいの心持ちで良いと思います。
また往復して彫らないとスジ彫りの深さにムラが出てきます。
なので面倒でも必ず反対方向からも彫ったほうが良いと思います。
🐤🐤🐤
さてクランクの最初のスジ彫りラインづくり終わったら
3mmの黄色いテープを剥がし、次に2枚目に貼った透明テープも剥がします。
今回5mmのテープが上に張ってあるので5mmを浮かして3mm透明テープを剥がし取る&再貼付けを慎重に行います。
残ったのは1枚目の透明テープとその上に張っている5mmの黄色いテープになります。
この2枚の交点にまたケガキ針で点を打ちましょう。
これが向かって右側の、上から下に下ろすスジ彫りの終点になります。
交点を取ったら5mmテープは剥がし、
透明ガイドテープに沿ってけがき針→タガネでスジ彫りします
この段階までスジ彫りした状態で墨入れしてみました。
あとはこの2つの平行線の端にガイドテープを合わせて繋いで彫れば斜めラインの完成です。
ガイドテープはさっき剥がした、ハイキューパーツのスジ彫りガイドテープの再利用でいいでしょう。
2回ぐらいならまだ粘着力も残っているはず…。3回目以降は厳しくなるけど…👻
斜めラインで注意するのは始点はまあ大丈夫として、終点(引き切り)だと思います。
引き切りで力が入りすぎるとオーバーラインしがちなので
「往復して彫るから終点の少し手前で止めても良いんだ」
ぐらいので気持ちで良いと思います。
ということで「クランク」スジ彫りができました。
今回は全て0.15mmで彫ってますが、斜めラインだけタガネの幅を広くしてみるなどでアクセントをつけてもいいと思います。
プラスアルファの作業―スジ彫りラインの面取り
この項ははっきり言ってやらなくてもいいですが、少しだけ見た目が向上するかもしれません🌹
スジ彫りを0.15mmのタガネで彫ったあと、全てのスジ彫りしたラインの左右両端に対して45度の角度で0.3mmのタガネを当ててスジ彫りラインの面取りを行います。
面取りはわずかに撫でるような感じで行います。
こうすることでスジ彫りした凹型溝上部内側の角がやや取れてスミ入れしたときに見やすくなります。
とは言え、これはやってもやらなくてもそんなに大差ないですし、
爪楊枝や竹串でスジ彫りのラインをなぞれば、凹型溝底面の清掃&慣らしと溝内側上部の両サイドの角が少し丸くなるような同じ効果は得られるので爪楊枝などでもいいと思います。
スジ彫りで重要と思われるポイント
私が考えるスジ彫りで重要な点をいくつか挙げます。
(ガンプラ超初心者ではないけど、かと言って上級者でもない中途半端な状態の人の意見なのであくまでも参考程度でm(_ _)m)
- とにかく市販のガイドテープの幅を組み合わせる
- パーツ本来の角、辺、モールドなどを基準点として最大限活用する
- 自分の彫ったスジ彫りラインや交点などをガイドにするのは難易度が高いのでやめておく
がポイントかと。順番に補足します。
1.ガイドテープの幅を組み合わせる
とにかくこれが最重要🌻
好きな位置に好きなようにスジ彫りするのが理想的だとは思いますがそれは難易度がとても跳ね上がるので、
最初はとにかくガイドテープの幅を足し算して組み合わせ、スジ彫りの位置を決めるのが良いと思います。
ですので場合によっては己の描く理想像からは妥協しないといけない場面も出てくるかもしれません😥
スジ彫りのガイドテープは基本はハイキューパーツの3mmと6mmの透明のものを使います。
これが硬さの面で一番使いやすいです。
補足:私の手持ちのハイキューパーツのガイドテープは3mmと7mmです。
今は廃盤でもう売ってませんが昔販売された初期の幅広タイプは7mmだったんですよねえ。
なので今後サイト内で幅広を使うときは6mmではないのでご了承を。。。
ただ、6mmは今回やったように3mmのテープを2枚重ねれば良いので一番最初は3mmだけ買っておけばいいと思います。
できれば同じ素材のガイドテープで5mm、1mm、2mmなども出してほしいんですが、何年も新製品は出てないので色々と難しいんでしょうね😥
2.パーツ本来の角、辺、モールドなどを基準点として最大限活用
3.自分の彫ったスジ彫りラインや交点などをガイドにするのは難易度が高いのでやめておく
この2つは密接に関連している大切な要素でして、スジ彫りで自分が決めた好きな位置を基準点にするのはかなり大変です。
1つのパーツに対してのみのスジ彫りでいいなら自由裁量もまたありかと思いますが
ガンプラって結局腕でも足でも同じようなスジ彫りを複数箇所に入れるシーンが多く
できればパーツに元からあるポイントを活かすほうがほぼ同等に近いスジ彫りが作れて楽だと思います。
なのでこれと関連して
私は基本、表面処理は一切しないでいきなりスジ彫りから入ります
だってそうしないと、最初に表面処理でヤスリがけするとパーツの元々の面・辺が少しでも変わってしまい、スジ彫りのアタリがズレてしまう恐れがあるんですよね( -_-)
作業効率を考えると、
スジ彫り→表面処理→スジ彫りのラインがやや薄くなる→再度彫り直し
で手間がかかる事もあるのですが、スジ彫りで取るアタリの位置がズレるリスクを考えて表面処理は後からにしています。
おわりに | スジ彫りはシンプルに、気楽にやるのがいちばん
本当は前腕部分やその他のスジ彫りも紹介する予定だったんだけど
長くなったので今回はこの辺で👻
とにかくスジ彫りは既存のテープ幅を組み合わせて、彫るときもゆっくり撫でるような感じで彫ればキレイな仕上がりに近づけやすいです。
最初のうちはそれでもなかなかうまく行かないと思いますが
とにかく数をこなして慣れていくしかないです。
私も日々訓練です😥
それと、最初からネットで出てる凄い作例の真似とかは無理なので、
コツコツできることからやっていくのが一番だと思います。
それに関連してひとつ言えるのは、
どんなに凄い作例もズームアップの写真を見ると意外とスジ彫りはヨレている
ということ。
これはディスりとかじゃなくて(^_^;)、
ものすごーい作例を作る方々も結局はスジ彫りは人間の手でやる作業。
機械で寸分違わず引くわけではない(ただ、最近は3Dプリンターで最初からパネルラインまで引いてる作例も増えてきてるけど)ので、
凄いガンプラ上級者様達でもなかなか完璧には引けない→だったら自分など引けるはずもない→もっと気楽に彫って良いんだ♪
と考えるのが精神衛生上良いんじゃないでしょうか。
私はそう考えるようにしたらだいぶ気楽になりました(^_^;)
最初から完璧なものを求めると理想と現実の差があまりにも大きすぎ、なんだか嫌になってくる→ガンプラを作らなくなってしまう、という状況に陥りがち。
私も長い時期そういう事がありました( -_-)
なのでもっと気楽に作っていくのが良いと思います😺
それでは。