スジボリ堂より2020年2月9日に発売開始された
プロ原型師、岬光彰さんが手掛けたT型スライド定規を買いました。
無事手元に届きましたので簡単に使ってみた感想を書きたいと思います。
性能は問題ないけど品質管理はちょっと残念
T型スライド定規とは
今回購入したスジボリ堂の岬式T型スライド定規はこちらです。
岬光彰さんはこちらの本の著者です。
私もこの本は持ってて、定期的に読み返してます。
とにかくプラモデルを作るための技術がこれでもか!
と詰め込まれている素晴らしい一冊です。
こんなのいったいどうやって作るんだろう?
というパーツの作り方も懇切丁寧に解説してあります。
「何か一冊おすすめのプラモデルづくりの本ない?」と言われたら、
私は迷うこと無くこれを推します。
余談ですが、岬さんは普段よりTwitterでご自身が持っていらっしゃる
プラモ作りのノウハウを全く惜しげもなく公開してくださっているという
素晴らしい方です。
氏のTwitterを見るだけでも非常に勉強になるので要チェックです!
ただ残念ながら岬さんはブログ、「イクチオステガ」の方は閉鎖されてしまったんですよね…。
あちらにもパテ盛り・レジン複製等の素晴らしい記事があったのですが、今はもう見られなくなってて残念😥
で、そんな岬光彰さんがご自身で制作に使っているのがオリジナル考案の金属製T型スライド定規。
これは指定した幅で直線を平行に引くのに非常に優れたアイテム。
私も実は数年前に、岬さんのTwitterで紹介されているのを見て
アルミ板で似たようなものを自作して使っていました。
ただやはり自作のアルミ製は強度の面で不安定で
あまり使い勝手がよくありませんでした。
というわけでそんな便利なT型スライド定規が
この度、正式な商品としてリリースされるのを知り、私も迷わず購入した次第です。
またお金が飛ぶ~💸
岬式T型スライド定規の外観など
届いた岬式T型スライド定規を見ていきましょう。
T定規部分にメモリが入っていて、また台座には
今何ミリ定規を伸ばしてますよ
というのがひと目でわかるようにラインも入っています。
ただ写真を御覧いただくとわかるように、
- 届いた時点で油汚れ・手垢のようなものが全体にベタベタと入ってました(画像でついてるのは全て初期開封時のものです)。
- T定規の1cm付近に最初から大きめのスジや傷が入っていました(幸い目盛りには干渉してないので使用上の問題はありません)。
- T定規部部分の端が不必要に丸め込まれてます。直角をきちんと出して欲しい。
- 裏面に大量の汚れ・傷が入ってます。別の同部品の目盛りガイドラインが転写されてるような感じ??
- ところどころバリがありスライド時に引っかかります。
- 肝心の目盛りがどうも薄く、使っているうちに擦れて消えてしまわないか心配。T定規の横方向は別に問題ないがスライド幅表示の部分は目盛りを彫り込み式で消えないように作ってほしかった。
という感じでした😥
一応使ってみたところガタ等は無いのでちゃんと平行線は引けるようです。
ただこの様に新品未使用品を買ったのに品質はあんまり良くないです。
もちろんこの手のアイテムは使っていくうちにキズもつくと思います。
なので使い込みに伴う、ある程度のキズや汚れはOKだと私も思います。
だけど
最初からやたら大量になんかキズや汚れがあちこち入ってるのはどうなの?
と正直思います。
このちっこいアイテムで2,200円もします。
言い方は悪いかもしれませんが、基本的に直角で切り出した
小さなステンレス板を複数枚貼り付けただけの構造です。
にしては決して安くはないですよね。
とはいえ、唯一無二のアイテムなので値段はまあ許容するしかないです。
が、そこそこの値段を付けたのであればもう少し品質は上げてほしい
というのが私のホンネです。
私もいち、岬さんファンなので、
くれぐれも岬さんの名にキズがつくような品質の状態で売るのは止めてほしいと思います(´・_・`)
スジボリ堂にはもっと品質の管理と向上に力を入れる事を望みます。
実際に岬式Tスライド定規を使ってみる
くり抜き構造を作ってみましょう
実際にT定規を使ってみました。
適当なプラ板(0.5mm厚)に切り込みを入れてハシゴみたいな感じで穴を開けます。
外枠を3mm、そして内側は3mm間隔で2mmの長方形のくり抜きを行いたいと思います。
スライド定規を使って鉛筆で下書きをしました🐣
あとは下書きに沿ってスライドを調整しながらデザインナイフでコツコツ切っていきます。
なおもっとちゃんと作るなら余計なところを切らないように
スジボリ用テープとかでストッパーをつけたほうが良いと思います(・_・)
コツコツ慎重に切ってきれいにくり抜きができました。
写真だと一瞬だけど、わりと時間をかけて慎重にやりました👻
ぶっちゃけこの形状を作るなら
直線切りしたプラ板を接着剤でくっつけたほうが楽に作れる
と思いますが、
T定規の威力がきちんと発揮されたので良しとしたいと思います(^_^;)
せっかくなのでもうひと工夫
岬さんの本に載ってるもうひと工夫をせっかくなので紹介してみたいと思います。
※ガンダムスクラッチビルドマニュアル2の61ページを御覧ください。
今くり抜いた箇所は長方形ですよね。ここの端を丸くしてみたいと思います。
2mmの長方形で切り欠いているので、2mmのタミヤの丸プラ棒を用意します。
プラ棒にはセロファンテープを巻いてます。ダイソーとかの安いのでOKです🐤
切り欠き長方形の端に瞬間接着パテを盛って
この丸棒(onセロテープ)をギュッと押し付けると
プラ棒の丸と長方形の間にだけパテが残るので
それで端っこが丸く出来上がるというストーリーです。
瞬間接着パテはシアノンパテなどが一般的ですが、
※これとか
高・い・の・で私はこれを使います💰
ベビーパウダー(シッカロールとか)と瞬間接着剤を混ぜると
瞬間接着パテが出来上がります。瞬間接着剤はダイソーのとかでOKです。
左上のものは適当な板にガムテープを貼ったものです。
この上で粉と接着剤をまぜまぜしてパテを作ります。
こんな感じで四角形の角と丸棒の間に瞬間接着パテを盛っていきます。
丸棒にはセロテープが貼ってあるため、瞬着で固まらないという仕組みです。
なおできれば、硬化スプレーか硬化促進剤があったほうが良いと思います。
私は持ってないので気合いで棒を押し付けて作業しました(^_^;)
パテが固まったらヤスリがけをして表面を慣らしておきます。
写真だと分かりにくいんですが、角が丸く固まってます。
こういった意匠を使えばいろんな改造の幅が広がりそうですね🌷
おわりに
ということで、スジボリ堂で販売スタートした
岬光彰さんのスライド式T定規をつかってみたレポートでした。
使うこと自体に特に問題はありません(バリでちょっと引っかかるけど)。
ただ値段の割に見た目の品質的にはやや難あり・もうちょっと頑張って欲しいと思いました。
正直、わくわくしながら届いたパッケージを開けたんですが、
いきなりのキズ・汚れっぷりに(´・ω・`)ショボーンとなりました。
「自分が使って汚すことは構わないが他人が勝手に汚すことは許さない」
という横山三国志の曹操のような気分です(笑)
ただ、このT定規を持ってれば
スジボリなり、スクラッチなりの幅が大きく広がると思います。
気になる方は手にとってみてはどうでしょうか。
あと、岬さんの本も本当に素晴らしいのでおすすめです。
ただこの本、今は品切れで転売屋のボッタクリ価格になってるので、
再販を待ったほうが良いと思います…😥